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春のかくれが

世界は物語でみたされる

4月26日

寮を出て、さっきまで雨が降っていたことを知る。アスファルトの湿り気と空にオレンジ味をおびる雲。鼻から息を吸って、泣き出しそうになる。雨上がりの夜に混ざる甘い匂い。わたしがよく知っているはずの匂い。コンビニで、サンドイッチとおにぎりとコロッ…

2月27日

やっと別れる。やっと。ひとりでちゃんと生きていく。そして好きになる。

2月4日

朝部屋を出るときに,雨が降るかもしれないと思うこと。折りたたみ傘を持とうと思うこと。一人のほうがきちんとできること。もう一緒にいられない人のこと。そうでもないこと。

2月2日

言葉にしてもきっと伝わらない、そう思って沈黙に浸るのも、もうそろそろやめること。「まあ、なんにでも潮時っちゅうもんはあるわな」懐かしい言葉。

1月18日

この思いがいつまで続くかわからないけれど、今は、ずっと続くといいと思う。

1月11日

やりたいことがいつの間にかやらなければならないことになっている。生活をきちんとすること。明るく清い生活。好きなものを好きというただそれだけのこと。

10月29日

姉と駅前に新しくできた映画館で「君の名は。」を観る。朝、待ち合わせ場所に「わっ」と現れた姉はいつもより入念に化粧をしていると見えて、とても二児の母とは思えない。久しぶりにみる少女のような笑顔にどうしてかほっとする。 映画を観終わって姉と別れ…

10月19日

シャワーを浴びて濡れた髪を乾かしながら、今日は大学に行かないと思う。 ユニクロで黒のハイネックセーターと白のカーディガンを買う。暑がりだからコートの下は薄めのセーターが丁度いい。ビッグシルエットのコートをお気に入りに追加。世界のUNIQLO。 昨…

10月13日

バルコニーから戻ってきた恋人が「飛行機が飛んでいて、その中にはたくさんの人が乗っているんだ。安心して。そう考えたらなんだか不思議じゃない」と言ったので、私はこの人をとても好きだと思った。「そうだよね、不思議。あの空を飛ぶ物質に一体何の保証…

10月10日

言いたいことは言え、という夢を見た。私は何をしたいのか。言いたいことは言え。

6月12日

私は何を忘れてる? 決定的なとても大事な。 カンガルーが空から降ってくる。 暗くてそういうことをするお部屋。 女の子の手をひいて走る、逃げる。 キスを、した。 私がわたしの手をひいて、逃げる。 何から? 目が覚めたとたん、涙が出る。 あとちょっと、…

6月9日

私はあなたのお眼鏡にかなって? 私は誰をも嫌いになったりはしない。 それは誰をも好きにならないことと全然違う。 いつでもわたしかわいいかわいいねってだから泣きたくなるのでしょう? 「諦めが必要だよ」 いつでも最悪を予期して、なるようにしかならな…

6月7日

声は大きく。 自分のなかでしか完結していないから 小さくなってしまうでしょう。 私の声届け、届いて。 音韻要素の連なりを 意味解釈の多様性を 普遍文法を 越えて行け。

6月5日

うかれて勉強が手につかない。捗るのは昼寝だけ。あの、いつものことですが。遊びに誘ってくれてとてもうれしい。かつて好きだった人。高校生の頃は、それこそ憧れに恋をして浮かれて自惚れて、それもまた懐かしい。あの頃に戻った心持ちで、ありのままま笑…

6月4日

命が生まれようとしている。かつて、わたしは新しい命を生まないとわたし自身に強く誓った少女のこと。この連綿とつらなる営みをわたしで断ち切ることを泣きながら決意した少女のことを思う。『わたしはわたし以外のなにものにもわたしをあけわたしはしない…

6月3日

高校の同級生から連絡がくる。今年の初め、まだ春の予感のしない頃、3年ぶりに会ったひと。ほんのすこしあきらめたように笑うあなたの言葉の風通しのよいことといったらもう。鼓膜のふるえがただしくわたしの世界の腑におちる。

6月2日

約束をすることがにがてなのはたぶんずっと前からで。青野さーん、とその人は言う。わたしはわたしの名前を呼んでくれる人がすき。呼ばれる度にわたしはここにいる。先生みたいなその人は、いつも誰かを評価したがって、あなたの言葉にわたしをあてはめよう…

6月1日

風が吹いていますね。春の名残りをさらっていく初夏の風。一緒に話すのがとても楽しい人がいて、わたしは話をしたかったし話をききたかったんだと思う、ほんとうは。あなたの夢のなかにわたしはいて、あなたが目覚めれば消えてしまうわたしなのかしらん。青…

世界は物語でみたされる

前にも日記のようなものを書いていたのだけれど、消してしまったそのことをすこしだけ後悔しながら、また始める。すこし前の物語をさみしかったねかわいかったねとうっちゃって、まだ朝ぼらけ、白む世界の様々へ、おはよう。